近年、医学の向上により病気を克服できる子どもたちが格段に増えました。一方で、医療最優先の病院での生活について、子どもらしさや楽しさの同居、いわゆる「子どもたちの生活の質(QOL:Quality of Life)の向上」を求める声も、子どもたちのみならず、病気から生還した元患者や保護者、医療者らからあがってきています。
もちろん、病院の中でもレクリエーションやワークショップは開催されてきました。しかし、それらは開催時に比較的体調の優れている子どもたちだけが参加する事が大半でした。また、病院の中で治療行為に直接携わらず、様々な遊びを通して子どもと接する専門家(医療保育士など)が常勤していない医療機関も数多くあります。
そこで「子どもと病院を考えるプロジェクトkopital(コピタル)(以下kopital)」の活動のひとつとして、2010年4月から独立行政法人福祉医療機構の助成金を受け、「長期入院の子どもへのアートと地域参画事業(病院にいる子どもへアートを届ける)」をはじめました。
病院にいる子どもへアートを届ける(長期入院の子どもへのアートと地域参画事業)
アートワークショップ
「どうぶつかいはつけんきゅうしつ」
「わたしが作ったのは『くじライオン』体はくじらで、頭がライオン。すごく強くてかっこいい。」このけんきゅうしつでは、いろんな動物のパーツをくっつけて、オリジナルの動物を開発していきます。みんなで新しい動物図鑑をつくりませんか?【アーティスト:オカダングラフィック】
アートワークショップ
「みんなでイカレレ作ってえんそうしよう!」
イカレレはイカの形をした楽器です。材料はティッシュの箱と、輪ゴム、画用紙。みんな、絵の具で塗ったり、シールをはったり・・・いろんなデザインのイカレレが揃ったら、最後にみんなで一緒に演奏します。【アーティスト:tupera tupera】
アートワークショップ「フォト絵であそぼう−病院の写真にらくがきしよう−」
いつもの病室、いつものベッド、いつもの聴診器、そんな身近にある物や人や景色の写真を撮って、印刷したら準備完了。マジックを持ってらくがきです。いつものアレが違ったアレに見えてきます。【アーティスト:福田利之】
アートワークショップ「モザイクぬりえ」
「ぐるぐるジグザグのせんでできたえをながめているとだんだんなにかがみえてくる。みつけたものにいろをぬってみよう。ほら!あらわれた きみだけにみえたものが」(もざいくぬりえ作り方より抜粋)【アーティスト:noninoko】
アートワークショップ「紙管アート」
紙管は、ラップや粘着テープの芯、ポスターの筒などに使用される段ボール製の管のことです。いろんなサイズの紙管を輪切りにして色を塗り、つなげるだけで、あら、不思議。素敵なアート作品の完成です。【アーティスト:九州産業大学栗田融研究室】